世代とスタイルが激突──CMLL女子ユニバーサル決定戦、スカディ vs インディア・スー

10月17日、CMLL女子ユニバーサルチャンピオン決定戦が開催

2025年10月17日(メキシコ時間)、メキシコシティのアレナ・メヒコにて、女子ユニバーサルチャンピオン決定戦が行われます。この大会は、CMLLに所属する現役女子王者たちが一堂に会し、真の“ユニバーサルチャンピオン”を決める特別な試合です。

今年の決定戦では、注目のカードとしてスカディ vs インディア・スーの一騎打ちが組まれました。世代もスタイルも異なる二人の対決は、女子部門の未来を占う重要な一戦となるでしょう。

次世代のエストレージャ、スカディの台頭

スカディは、CMLL女子部門で急成長を遂げている若手ルチャドーラです。母親はCMLLのレジェンド、マルセラ。その影響もあり、幼少期からルチャリブレに親しみ、自然とリングに立つ道を選びました。

彼女の代名詞は「みちのくドライバー」。日本のレスリングスタイルを取り入れたこの技は、母マルセラも得意としていたフィニッシュムーブで、スカディはそれを自分の武器として昇華させています。空中技とグラウンド技のバランスも良く、観客を魅了する試合運びができる選手です。

先日開催されたCMLL女子ユニバーサルチャンピオン決定戦の予選では、スカディが母マルセラと同じコーナーに立ち、親子共演という特別な舞台でその存在感を強く印象づけました。試合は、マルセラをはじめ、ハロチータ、セウクシィスといったCMLL女子部門を代表するスーペル・エストレージャたちとの激戦。若手ながらも臆することなく立ち向かい、持ち前の空中技と力強いムーブで観客を魅了。

そして試合終盤、スカディはセウクシィスを相手に、自身の代名詞とも言えるフィニッシュ技「みちのくドライバー」を鮮やかに決め、見事勝利を収めます。この一撃で決勝戦への切符を手にした彼女は、母譲りの技術と自らの野心を武器に、次なるステージへと駆け上がっていきます。

動画元:VideosOficialesCMLL

静かなる王者、インディア・スーの実力

対するインディア・スーは、1984年生まれのベテランルチャドーラで、メキシコ・ネサワルコヨト出身です。2004年にデビューして以来、約20年にわたりルチャリブレの世界で技術を磨き続けてきました。現在はCMLLに所属し、メキシコナショナル女子王者として団体の頂点に立っています。

彼女は“テクニカ”として、2025年3月にはサネリーを破って王座を獲得。試合スタイルは、派手な空中技よりも、堅実で重みのある打撃と関節技を軸にしたグラウンド型。観客を一気に沸かせるタイプではありませんが、じわじわと相手を追い詰めるその戦いぶりは、まさに“静かなる野心”を体現しています。

インディア・スーもスカディーと同じ二世レスラーです。父は“オンブレ・バラ”、母も同じく“インディア・スー”のリングネームで活躍していたという、ルチャリブレ一家の出身です。叔父には“ピラタ・モルガン”弟には“オンブレ・バラJr.”と、血筋も華やかです。

動画元:VideosOficialesCMLL

対照的な二人が描く、女子部門の未来

スカディが若さと爆発力で攻めるなら、インディア・スーは経験と技術で受けて立ちます。このユニバーサル決定戦は、世代とスタイルの違いがぶつかる、まさに“注目の一戦”です。

CMLL女子部門は、近年ますます多様性と実力主義を重視する傾向にあります。その中で、スカディのような新星と、インディア・スーのような王者が正面からぶつかる試合は、団体の未来を占う重要な意味を持つでしょう。

果たして勝利を手にするのは、伝統と血統を背負う若き挑戦者か、それとも静かに燃える王者の意地か──。10月17日、アレナ・メヒコでその答えが明らかになります。