HOLA!Amigos!るちゃ男です。今回のルチャリブレ・レジェンド紹介は、ルチャリブレ界で異彩を放った存在、「エル・バガブンド(放浪者)」ことホセ・ルイス・ガルシアをお届けします。日本ではあまり馴染みのない選手かもしれませんが、メキシコではその独特なスタイルと情熱で多くのファンを魅了した人気ルチャドールです。マスカラ戦で勝利を重ねた彼の物語は、まさにルチャの魂そのもの。今回もよろしくお願いします。
記事元:El Mil Iris Jarocho
覆面の放浪者:バガブンドの伝説と唯一無二のリング人生
メキシコのルチャ・リブレは、派手なマスクと個性的なキャラクターで今や世界中に知られています。その中でも異彩を放った存在、「エル・バガブンド(放浪者)」ことホセ・ルイス・ガルシアの生涯は、まさに伝説そのものです。ボロボロの服でリングに現れ、観客を魅了したこの覆面レスラーの物語を振り返ります。
メキシコシティ生まれの異端児
1945年3月19日、メキシコシティで生まれたホセ・ルイス・ガルシアは、「エル・バガブンド」としてルチャ・リブレの歴史に名を刻みました。独立系レスラーとして活動し、アステカブドーカンやトレオ・デ・クアトロカミノスで開催された「スーパー・リブレス」の一員として人気を博しました。



彼の師匠は「マテマティコ」で、その指導のもと、バガブンドはリング上で独特かつ華やかなスタイルを築き上げました。1977年11月21日、アレナ・テピートでのデビュー戦は、彼のキャリアの第一歩となりました。
リングに現れた「放浪者」
バガブンドの魅力は、試合だけでなくその登場シーンにもありました。ボロボロの服、ドン・ラモン風の帽子、先にハンカチを結んだ棒を持ってリングに登場する姿は、まさに「放浪者」そのもの。
リングに上がると、ズボンを脱ぎ、それを振ってホコリを飛ばすパフォーマンスは観客を大いに沸かせました。彼は「アラクラン・ブランコ」や「チャマコ・ガルシア」といった別名も使い、多彩なキャラクターでファンを楽しませました。



Cazador de Máscaras-マスクハンター エル・バガブンド-
バガブンドの真骨頂は、ルチャ・リブレの醍醐味である「Lucha de Apuestas」にありました。ルチャ・デ・アプエスタスとはマスクや髪の毛をかけた戦いで、彼は何度も勝利を重ねました。
エル・アステカ、エル・グレコ、エル・ピストレロ、ククス・クランのセグンドといった強豪からマスクを奪い、1977年にはグアダラハラでエストレージャ・ブランカと組み、インフィエルノ兄弟を撃破
その後も1981年のマグナム戦、1983年のエル・スレーニョ戦やアンヘル・アノニモ戦で勝利を収め、セルヒオ・アラゴンやトリト・チャベスらの髪も獲得しました。彼のリング上での闘志と技術は、観客に忘れられない記憶を残しました。
バガブンドの黄金時代
バガブンドは数々のタイトルも手にしました。アレナ・テピートのウェルター級王者、アレナ・ロサレスのウェルター級王者、エル・エンテラドールとのタッグ王者、カリブの中量級王者と、その実績は輝かしいものがあります。
中央アメリカへの遠征も経験し、特にメリダ、ベラクルス、タンピコでは熱狂的な支持を受け、アイドル的存在となりました。彼の試合は、地域を超えて多くのファンを惹きつけました。

引退と永遠の別れ
1992年、バガブンドはリングを去ります。そして2011年1月11日、63歳で天国へと放浪の旅に出ました。しかし、彼のユニークなスタイルと情熱は、ルチャ・リブレの歴史に深く刻まれています。「僕は観客、仲間、故郷のために闘ってきた。唯一無二のキャラクターを作り上げたかった」と語ったバガブンド。その言葉通り、彼のリング人生は今なお語り継がれる伝説です。