ルチャリブレの世界にようこそ!!

BienVenidos al Lucha Libre!!

ルチャリブレはメキシコに古くから伝わる伝統的なプロレスです。華麗な空中殺法やスピーディーな攻防。独特なマスク文化など、他のプロレスとは一線を画す魅力を持ち、メキシコの多くの人たちに愛されています。この記事ではルチャリブレを良く知ってもらえるように色々な角度からルチャリブレの魅力をご紹介し一人でも多くの方にルチャリブレ好きになってもらえれば幸いです。

ルチャリブレとは?

ルチャリブレは、スペイン語で「自由な戦い」を意味すると一般的には言われていますが、実際リング上でルチャリブレを経験した僕が思うには「自由に戦う」と言う意味でもあるのかなと思います。空中技が得意な選手、グランド、関節技が得意な選手もいます。打撃が得意な選手もいます。それらの選手たちが禁止行為のルールを守りながら自分のスタイルで自由に戦うのがルチャリブレかなと思うわけです。
またルチャリブレは19世紀後半にメキシコに伝来したヨーロッパのスタイルと、古代マヤ文明の格闘技が融合して生まれたと言われています

メキシコの古代文明ではすでにマスクを着けていた?!

現代の選手もこのような衣装をつける事もあります。

ルチャリブレの特徴

ルチャリブレの魅力の一つは華麗な空中技ではないでしょうか。リング内は勿論、場合によってはリングの外にいる相手選手に向けて華麗な技を決めます。宙返りや回転技などを組み合わせたアクロバテックな動きは、ルチャリブレの醍醐味と言えるでしょう。ルチャリブレの空中技の起源は古代マヤ文明の格闘技にまで遡ると言われています。当時の選手たちは高い壁やピラミッドから飛び降りて敵を攻撃していたという記録が残っています。

動画元:Azteca Deportes

現代のルチャリブレにおいては、様々な種類の空中技が存在します。以下に代表的な技とその詳細をいくつか紹介します。

  • トぺ・・空中技の基本的と言われる技。リングの中で相手に自分の頭を当てる技。
  • トぺスイシーダ・・場外にいる相手に向かって飛び込む技。場外という危険場所に向かって飛ぶ技なので、スイシーダー自殺的な、という意味で自殺的なトぺと呼ばれている。
  • プランチャ・・コーナーポストから飛んで自分の胸を相手に当てる技。基本的には自分の胸と相手の胸を当てる。
  • ティヘラ・・相手の首元に飛び乗って体を後ろにひねって相手を投げる技。ハサミをイメージしてティヘラと呼ばれている。
  • コルバタ・・両足で相手の首を挟んで投げる技。相手の首にぶら下がる状態が、ネクタイのようなので、ネクタイのスペイン語コルバタと呼ばれている。

空中技はルチャリブレの進化と共に体のひねりを加えるなど年々複雑化しています。最近ではマスカラ・ドラダやネオンなど若い選手の空中技が素晴らしく観客を魅了していると言ってもよいでしょう。

動画元:Lucha Music MX

ルチャリブレの歴史

ルチャリブレが本格的に行われたのは19世紀後半と言われていますが、具体的には1863年にメキシコシティーで初めてルチャリブレの興行が行われました。

この興行を行ったのはフランス人医師のガストン・テュベールとメキシコの元軍人のエンリケ・ウガルデチェアです。彼らはヨーロッパで流行をしていたサーカスにレスリングを取り入れメキシコで紹介しました。その後メキシコの伝統的な格闘技であるルチャ・リブレとヨーロッパのレスリングを融合させルチャリブレとうい独自のスタイルを生み出しました。
一番最初のルチャドール‐エンリケ・ウガルテチェア、彼からルチャリブレの歴史は始まりました。

動画元:Imagen Noticias

メキシコ人に愛されるルチャリブレ

20世紀前半、ルチャリブレは黄金時代を迎えます。1933年にはルチャリブレの聖地とされるアレナ・メヒコが開場され、同時にルチャリブレ団体のCMLLが設立されました。CMLLは今年設立91周年を迎えます。この時にエル・サントやブルー・デーモンなどの伝説的なルチャドール達も活躍をします。
黄金時代を代表をするエル・サントやブルー・デーモンの他にも日本でも人気のあるエル・カネック、ミル・マスカラスが登場しました。彼らは観客を魅了するエンターテイメント性の高い試合を展開し多くの国民に愛され、ルチャリブレは国民的なスポーツへと成長しました。この人気にテレビ中継も開始されこの事によってルチャリブレは全国に広がります。
また、これらの素晴らしい選手に加え、分かり易い試合の構図にも人気の理由があります。
試合の構図は昔も今も「正義(テクニコ)‐庶民、原住民 vs 悪(ルード)‐特権階級、スペイン人(外国人支配者)」の形になります。
メキシコは長くスペインに支配されていた過去があります。そのため「正義が必ず勝つ(庶民が勝つ)」ルチャリブレの試合はメキシコで辛い立場の貧しい人々にとって日々の憂さ晴らしが出来る場所でした。このように庶民に愛されたルチャリブレですが根強い階級社会のメキシコにおいては、中流階級、特にお金持ちや特権階級の人たちの中に「あれは下品な言葉が飛び交う見世物で野蛮で教養のない人たちが楽しむ娯楽。」と今でも敬遠され会場に行ったこともルチャリブレを観たこともない人たちが居るのも事実です。

動画元:LaloVillar

現代のルチャリブレ

とはいえ、現代のルチャリブレは、伝統的なスタイルを守りつつもアメリカン・プロレスの影響を受けよりエンターテイメント性の高いスポーツへと進化をしてきました。近年ではアメリカ、日本での活躍は勿論、ヨーロッパでも彼ら、ルチャドールの活躍を見ることが出来ます。そのためルチャリブレはメキシコの文化と社会に大きな影響を与えていると言っても良いでしょう。メキシコ国民にとってルチャリブレは単なるスポーツではなく国民的な英雄であるルチャドール達を通して、メキシコの誇りを表現する文化の一つとなっています。

動画元:British Wrestling Away Days

ルチャリブレの世界に飛び込もう!

CMLLは今年91周年を迎えますが去年あたりから積極的に海外で試合を行っています。海外で試合を行った選手たちが身に着けた経験や知識を使ってルチャリブレは進化しさらに魅力的なスポーツになっていくでしょう。ルチャリブレを観戦する際には、選手は勿論ぜひ空中技にも注目をしてみてください。ルチャドール達の華麗な動きと技の迫力にきっと圧倒されることでしょう。また、ルチャリブレの歴史を理解することでルチャリブレの魅力をより深く理解することにつながると思います。そのための情報をこれからもこのブログでお届けしていこうと思います。