Hola Amigos！るちゃ男です。6月7日の「NXT x AAA: Worlds Collide」が大成功に終わりました。
この大会ビキンゴの空中技やMr・イグアナのインパクト満点の試合で盛り上がりました。未だ観ていないよ！と言うAmigoはこの大会がYOUTUBEで視聴可能ですので、是非ご覧ください。
そして、この大会が開催される数日前にWWEがAAAを買収してプロレス界に衝撃を与えました。今回は、この歴史的買収を簡単に解説します。これからのルチャリブレはどうなるのか少し予想もしていますので今回もよろしくお願いします。
業界No1の団体WWEがメキシコ・ルチャリブレ団体AAAを買収
発表時期と場所: WWEは2025年4月19日、ラスベガスで開催された「WrestleMania 41」のプレショー「WWE Countdown Show」において、AAAの買収を正式に発表しました。この発表は、WWEの最高コンテンツ責任者であるポール・レベック（通称トリプルH）、AAAの経営陣であるマリセラ・ペーニャおよびドリアン・ロルダン・ペーニャ、Fillip社の会長アルベルト・ファスハ、そしてWWE殿堂入りレスラーのレイ・ミステリオやエル・イホ・デル・ビキンゴなどのスター選手が同席する中行われました。
提携企業: この買収は、WWEの親会社であるTKO Group Holdingsと、メキシコを拠点とするスポーツ・エンターテインメント持株会社Fillipとの共同で行われました。Fillipは、キングスリーグやタイクーン・エンタープライズなど、スポーツやエンターテインメント分野で国際的なポートフォリオ（イベント開催、投資資産）を持つ企業です。
所有構造:買収後、WWEがAAAの51%を所有し、Fillipが残りの49%を保有する予定です。取引は2025年第3四半期（7月～9月）に完了する予定で、慣習的な締結条件の充足を条件としています。
ですので、具体的な選手の入団・退団、TV番組等の具体的な動きはこのあたり、またはこの手続き完了後に行われてくるとみられています。
買収に至る経緯
WWEによるAAAの買収は、2007年から続く交渉を経て実現しました。当初、WWEは完全支配を目指しましたが、AAAを運営するペーニャ家が抵抗したため、長年進展がありませんでした。今回の買収が成功した主な要因は以下の通りです。
長年の交渉: WWEとAAAの間での交渉は、AAAの創設者アントニオ・ペーニャの死去（2006年）以降、2007年から断続的に行われてきました。当初、WWEは完全な支配権を求めていましたが、AAAを運営するロルダン家は過半数の株式を手放すことに抵抗を示しており、交渉は長期間進展しませんでした。
Fillipの役割: Fillipの参入が今回の買収を可能にした大きな要因です。Fillipはメキシコ市場における専門知識と、スポーツ・エンターテインメント分野でのブランド活性化の経験を持ち、WWEとAAAの間の橋渡し役を果たしました。これにより、AAAのロルダン家が部分的な経営関与を維持しつつ、WWEのグローバルなリソースを活用する形で合意に至りました。
競争環境: 買収のタイミングは、ライバル団体であるAEW（All Elite Wrestling）がAAAの競合であるCMLL（Consejo Mundial de Lucha Libre）と提携し、2025年6月18日に「Grand Slam Mexico」を開催する計画を発表したことと関連している可能性があります。WWEは、AEWの動きに対抗し、メキシコ市場での影響力を強化するために、AAA買収の発表を急いだとされています。
戦略的意図: WWEは、ラテンアメリカ市場への本格的な進出と、ルチャリブレのグローバルな普及を目指しています。AAAは、レイ・ミステリオ、エディ・ゲレロ、ペンタ・エル・セロ・ミエドなど、多くの世界的スターを輩出してきた歴史ある団体であり、WWEにとってメキシコ市場でのブランド拡大と新たなタレント獲得の機会を提供します。
買収後の計画
初の共同イベント: 買収を記念して、2025年6月7日にロサンゼルスのキア・フォーラムで「NXT x AAA: Worlds Collide」が開催されることが発表されました。このイベントは、WWEのNXTブランドとAAAのトップ選手が共演するクロスプロモーションイベントで、ルチャリブレとWWEのスタイルを融合させ大会は大成功を収めました。
AAAの運営継続: 買収後も、AAAは当面の間、従来通りの運営を続けます。WWEは2025年第3四半期の正式な引き継ぎまでに、AAAの運営状況を調査し、今後の戦略を決定する予定です。一部報道では、AAAのレスラーに英語の習得やWWEスタイルへの適応を促す動きがあるとされています。
ペーニャ家の関与: AAAを長年運営してきたペーニャ家は、引き続きAAAの運営に関与します。これにより、AAAの文化的伝統とブランドアイデンティティが維持されることが期待されています。
業界への影響と懸念
WWEによるAAAの買収は、ルチャリブレのグローバル化を加速する一方、業界の競争環境や文化的伝統への影響が注目されている。WWEのラテンアメリカ市場進出は新たな機会を生むと期待されるが、一部ではルチャリブレの独自性がWWEの商業的アプローチで薄まる懸念も上がっています。メキシコのファンやメディアは、AAAのブランドがWWEのスタイルに染まる可能性や、ルチャリブレ文化への影響を議論してます。
ポジティブな見方: WWEの最高コンテンツ責任者トリプルHは、ルチャリブレの文化的意義を尊重しつつ、AAAのブランドを成長させ、グローバルな舞台でメキシコ人レスラーの機会を増やす意図を表明しています。この買収により、AAAの選手がWWEのグローバルプラットフォームを通じて世界的な認知度を得る可能性があります。
ネガティブな見方:一方で、一部のファンや業界関係者は、WWEがプロレス業界の独占を目指していると懸念しています。特に、メキシコのルチャリブレ文化がWWEの商業的なアプローチによって希薄化する可能性や、AAAの独自性が失われるリスクが指摘されています。メキシコのメディアでは、WWEの進出がルチャリブレ文化に対する「脅威」と見なされる声もあり、AAAのライバルであるCMLLが「ルチャリブレは決して死なない」とメッセージを発するなど、対抗意識を示しています。
政治的背景:買収発表のタイミングは、米国とメキシコの政治的緊張（特にトランプ大統領への言及や関税問題）とも重なり、WWEがメキシコ市場でどのように受け入れられるかに影響を与える可能性が指摘されています。
CMLLの予想される動きとAAAとの関係
WWEがAAAを買収した今回のニュースを一番驚いて聞いたのはCMLLではないでしょうか。今後CMLLは、AAAのライバルとして、WWEの進出に対抗する動きを見せる可能性が高いと予想されます。2025年6月18日にAEWと共同で開催予定の「Grand Slam Mexico」とその数日後に行われる「Fantastica Mania」はCMLLの国際的影響力を強化する戦略と見られています。
CMLLは「ルチャリブレは決して死なない」と宣言しており、伝統的なスタイルを強調し、AAAとの差別化を図ってくると思われます。一方で、AAAはWWEの支援を受け、グローバルな舞台での露出が増えるため、両団体の格差が広がる可能性があります。歴史的に対立してきたAAAとCMLLの関係は、買収後も協力より競争が続き、メキシコのプロレス市場での緊張が高まると予想されます。
この記事を書いている16日に7月にWWEがメキシコシティーとモンテレイでSUPER SHOWが開催されることが発表されました。
WWE・AAAからの公式コメント
WWEによるAAAの買収に関して、WWEとAAAの双方から公式のコメントが発表されています。以下に、2025年4月21日のWrestleMania 41カウントダウンショーでの発表や関連プレスリリースに基づく公式コメントを紹介します。
WWEからの公式コメント ポール・レベック（トリプルH）
- 「AAAは豊かな文化的遺産と情熱的なファンを持ち、ペーニャ家と一緒にこの旅を始めることは名誉なことです。WWEのグローバルな能力とAAAの素晴らしい伝統を組み合わせることで、新たな機会に満ちたエキサイティングな未来を期待しています。」
- さらに、Xでの投稿で次のように述べています：「このパートナーシップはスポーツエンターテインメント全体に利益をもたらします。AAAはメキシコの文化的支柱であり、多くのWWEスーパースターの故郷です。この提携により、AAAがメキシコのルチャリブレにおける最高の目的地であり続けることを保証します。TKOグループのPatrick DooleyとKevin Rohnkeにも感謝します。これから二つの世界が衝突する準備をしてください…未来はここから飛び立ちます」
- WrestleMania 41後の記者会見では、ルチャリブレの成長を強調：「ルチャリブレの文化的影響は世代を超えて響き、その重要性は計り知れません。私たちはその伝統をさらに発展させることを目指します。」
WWEは、この買収がラテンアメリカ市場への拡大とルチャリブレのグローバルな成長を目指す戦略の一環であることを強調し、2025年6月7日の「NXT x AAA: Worlds Collide」イベントをその第一歩と位置付けています。
AAAからの公式コメント AAAのゼネラルマネージャー、ドリアン・ロルダン・ペーニャ
- 「AAAは30年以上にわたり家族経営のプロモーションであり、世界最大のスポーツエンターテインメント企業であるWWEとの信頼はこれ以上ないほど適切なものです。」
- AAAの公式声明では、創設者アントニオ・ペーニャのビジョンに触れつつ、次のように述べています。
「1992年にアントニオ・ペーニャの夢として生まれたAAAは、レスリングを再定義し、リングで新しい物語を作り出しました。今日、30年以上経ち、その遺産はすべてのショー、キャラクター、ファンの応援に生き続けています。2025年、AAAは歴史上最も重要な一歩を踏み出します。WWEとFillipとの戦略的提携により、メキシコのレスリングを地域的・世界的に推進し、AAAの新時代を築きます。これは私たちの本質を失うことではなく、新たな観客に届け、構造を強化し、所属選手に新たな機会を開き、メキシコのレスリングが世界の舞台で輝くことを示す約束です。」
