WWEやAEW、日本の団体でも活躍してきたメキシコ出身のルチャドール、アンドラーデ。 その華やかなキャリアの裏で、彼が何を思い、どんな決断をしてきたのか。WWEを離れてから初めてのインタビューで、今の心境やこれからの展望について、率直に語ってくれました。
リングから少し距離を置いている今、彼は何を見つめ、どこへ向かおうとしているのか。 今回は先日メキシコのテレビ局TVアステカのスポーツ番組に出演したアンドラーデのインタビューをお届けします。
文章:るちゃ男yAI記者Copilot
「WWEを離れた理由は、いろいろあったんだ」
── アンドラーデ選手、ようこそお越しくださいました!まずは単刀直入にWWEを離れた理由について教えてください。
アンドラーデ:ありがとう。WWEを離れた理由は一言では言えないんだけど、いろんなことが重なったんだ。もともとAEWにいて、その後WWEに戻ったのは、当時の妻であるシャーロット・フレアーと一緒にいたかったから。でも、いろいろあって離婚してしまって…。その頃から、WWEでの居心地もあまり良くなくなってきたんだ。
── プライベートの変化も影響したんですね。
アンドラーデ:そうだね。それに加えて、メキシコでは普通に使えるサプリメントがアメリカでは禁止されていて、それで注意を受けたこともあった。ドーピングの問題もあるし、そういうのもストレスだった。最終的にはWWEと話し合って、円満に退団することになったんだ。

「契約の落とし穴。知らなかった“12か月の試合禁止条項”」
── AEWに戻った後、WWEとの間でトラブルがあったと聞きました。
アンドラーデ:そうなんだ。実は、契約の中に「12か月間は他団体で試合できない」っていう条項があって、それに気づかずにAEWに出場しちゃったんだ。しかも、当時の弁護士が元妻の弁護士でもあって、同じ弁護士は使えないってことで、別の弁護士を雇うことになった。
── それで今は試合ができない状態に?
アンドラーデ:そう。今はその条項について交渉中で、もうすぐ3か月になる。世界中どこでも試合ができない状態だけど、弁護士同士で話し合いが進んでいて、うまくいけば1か月後、もしくは1週間後には復帰できるかもしれない。
「今は心と体を整える時間。復帰に向けて準備中」
── 現在はどんな日々を過ごしているんですか?
アンドラーデ:
マイアミビーチに住んでいて、朝起きてジムに行って、ビーチで走って、またトレーニング。ボクシングもやってるし、食事にも気をつけてる。今は“休養”というより、“準備期間”って感じかな。戻るときは最高の状態で戻りたいからね。
「次のステージはどこに?世界中から届くオファー」
── 復帰後はどこでの活躍を考えていますか?
アンドラーデ:いろんな団体からオファーが来てるよ。日本、メキシコ、アメリカ…どこもいい関係で終わってるから、選択肢は多い。今はまだ契約できないけど、すでにプランはあるよ。WWEには感謝してるし、未来に何があるかは誰にもわからないからね。
── 最近はメキシコ人レスラーの活躍が目立ちますね。どう思われますか?
アンドラーデ:そうだね。WWEやAEWで活躍するメキシコ人選手が増えてる。でも、アメリカの団体は世界中で知られてるけど、メキシコのルチャリブレがまだ知られていない国も多い。僕たちはサウジアラビア、インド、アフリカ、日本、タイ、香港…いろんな国で試合してきたけど、そこではメキシコのルチャリブレはまだまだ知られてないんだ。
でも、それが逆に自分のモチベーションにもなってる。メキシコのスタイルを世界に届けるために、まだまだやるべきことがあるって思ってるよ。自分がその架け橋になれたらいいし、次の世代の選手たちがもっと活躍できるように、道を広げていきたいんだ。
── では、どの国のプロレスが一番レベルが高いと思いますか?
アンドラーデ:それは難しい質問だね。選手一人ひとりの努力次第だと思う。僕はメキシコでスターになって、アメリカ、日本と渡り歩いてきたけど、どこにも素晴らしい選手がいる。アメリカは世界中から選手を集めてるし、規模も大きい。でも、どこが一番とは言えないな。
── 最後に、ルードとテクニコどちらが好きですか?
アンドラーデ:本当はテクニコが好きなんだけど、ファンはルードの方が好きみたい(笑)。顔もルードっぽいってよく言われるしね。
── サッカーもやってたって聞きました。
アンドラーデ:うん、グアダラハラのテコスの下部組織でプレーしてたよ。ミッドフィルダーとディフェンダーをやってた。負けてるときはディフェンスに回されて、絶対に点を取られないようにしてた(笑)。
リングに戻るその日まで
法的な制約の中でも、前を向いて日々のトレーニングを積み重ねるアンドラーデ選手。インタビューを通して伝わってきたのは、華やかなキャリアの裏にある葛藤や覚悟、そして何よりも「もう一度リングに立ちたい」という強い思いでした。
彼は今、リングから少し距離を置いています。でもその時間は、ただの“待機期間”ではなく、自分自身を見つめ直し、次の一歩に備えるための大切な準備期間なのだと言っていました。 そしてその姿勢こそが、彼のプロレスラーとしての本質を物語っているように感じました。
あなたはどう感じましたか? 華やかな舞台の裏で、静かに闘い続けるアンドラーデの姿に、何か心に響くものがあったのではないでしょうか。
リングに戻るその日、彼はきっと、これまで以上に力強く、そしてしなやかに輝くはずです。 その瞬間を、私たちは静かに、でも確かに待ち続けたいと思います。
そして、今のアンドラーデ選手に、この言葉を贈りたいと思います。
「¡Tranquilo, no pasa nada!(焦んなよ!)」

