グラン・ゲレーロ インタビュー(『Esto es Lucha』ポッドキャスト)【後編】

ESTO ES LUCHA: EL PODCAST OFICIAL DEL CMLL
GRAN GUERREROインタビュー

敗北は終わりじゃない──兄の背中と、365日の覚悟

アレクシス・サラサール:2012年世代の中で、今もCMLLに残っているのは数人。その中でG・ゲレーロがここまで来られた理由は何だと思いますか?

G・ゲレーロ:やっぱり、兄・ウルティモ・ゲレーロの教えですね。彼の練習は「絶対に気を抜くな」が基本。365日、常に準備しておけって言われてきました。それが今の自分を支えていると思います。

アレクシス・サラサール:他の選手が休んでいる時期でも、あなたは動き続けていた?

G・ゲレーロ:そうです。仕事が少ない時期でも、僕はジムに行って、リングで練習してました。CMLLの要求するレベルは本当に高い。インディー団体で試合をしたときも、CMLLで培ったコンディションとリズムだけで相手を圧倒できたこともありました。

アレクシス・サラサール:それはまさに“CMLLの戦士”ですね。

G・ゲレーロ:兄は今でも怪我を抱えながらジムに通ってるし、リングでも練習してる。そんな兄を見て、「自分がやらない理由なんてない」と思うんです。だから僕も、どんな時でも手を抜きません。

アレクシス・サラサール:その姿勢が、あなたを支えているんですね。

G・ゲレーロ:はい。同期や仲間の中には怪我で離脱した選手もいます。たとえばオロ・ジュニアは大きな怪我をして、もう戻れないかもと思われていたけど、今またリングに戻ってきてる。そういう姿にも刺激を受けます

アレクシス・サラサール:同じ時期にデビューした選手の中にAKUMA選手がいますが、彼との関係は特別ですか。

G・ゲレーロ:ええ、AKUMAとは2012年に一緒にデビューした同期なんです。今でも同じコーナーに立って、同じ景色を見ている。彼の努力や情熱を間近で見てきたからこそ、誇りに思います。今ではナショナル・ヘビー級王者として活躍していて、そんな彼と肩を並べて戦えるのは本当に嬉しいことです。

敗北から始まる物語──学び、吸収し、進化する力

アレクシス・サラサール:2013年初頭、あなたは「タウルス」として“サングレ・ヌエバ”トーナメントに出場し、決勝でソベラノ・ジュニアに敗れましたよね。冒頭でも「負けて学んだ」と話していましたが、あの試合はあなたにとってどんな意味がありましたか?

G・ゲレーロ:あの敗北は、僕にとって大きな学びでした。悔しかったけど、「負けることでしか得られないものがある」って実感したんです。数週間後には“ラ・グラン・アルテルナティバ”に出場することになって、そこでのパートナーがアベルノだったんですよ。

アレクシス・サラサール:アベルノといえば、あなたの兄・ウルティモ・ゲレーロのライバルでもありますよね。どんな気持ちでしたか?

G・ゲレーロ:正直、最初は「えっ、アベルノと組むの!?」って驚きました。でも、僕は“誰がパートナーか”よりも、“何を学べるか”を大事にしていたので、すごく楽しみにしていました。
アベルノはリング上でよく喋るタイプで、観客の反応を読みながら試合を組み立てるんです。兄も同じタイプなので、僕はその両方から学べるチャンスだと思って、まるでスポンジのように吸収しました。

アレクシス・サラサール:技の継承についても、何か印象的なエピソードはありますか?

G・ゲレーロ:そうですね。ある日、ヴィルス先生の練習後に、ブラック・パンテルと僕だけが残っていたんです。すると先生が、「お前たちはまだやる気があるな」と言って、特別に関節技を教えてくれたんです。

その技を僕は大事に覚えて、後日ニエブラ・ロハとの試合で使って勝ちました。試合後にヴィルス先生が「お前、いい技使ってたな。どこで覚えた?」って聞いてきたので、「先生、あれはあなたが教えてくれた技です」って答えたら、「ああ、だから見覚えがあったんだ!」って笑ってました(笑)。

アレクシス・サラサール:素敵な話ですね。まさに“技の継承”ですね。

G・ゲレーロ:はい。僕はいつも「学ぶ姿勢」を大切にしています。兄からも、アベルノからも、ヴィルス先生からも、たくさんのことを学んできました。リングの上で何をすべきかどう観客と呼吸を合わせるかどう言葉を使うか──全部、彼らから学んだんです。

兄であり、師であり──ウルティモ・ゲレーロとの絆

アレクシス・サラサール:あなたにとって、ウルティモ・ゲレーロ選手は兄であり師でもありますよね。関係性はどう変化してきましたか?

G・ゲレーロ:昔は完全に“先生”でした。練習中は特に厳しくて、僕がミスをすると「やり直せ!」って何度も言われて…。でも今は、ようやく“兄弟”としての関係に戻ってきた気がします。

アレクシス・サラサール:それは、あなたが一人前になったということですか?

G・ゲレーロ:そうかもしれません。今では僕の意見も聞いてくれるし、試合の構成も一緒に考えるようになりました。昔は「黙って言うことを聞け」って感じだったけど、今は「お前はどう思う?」って聞いてくれる。そういう変化がすごく嬉しいです。

アレクシス・サラサール:家族としての時間も大切にしているんですね。

G・ゲレーロ:はい。リングを離れたら、普通の兄弟です。食事に行ったり、冗談を言い合ったり。でも、リングに上がるときは、やっぱり“ウルティモ・ゲレーロの弟”としての責任を感じます

アレクシス・サラサール:その責任はプレッシャーにもなりますか?

G・ゲレーロ:もちろん。でも、それ以上に誇りです兄が築いてきたものを守りたいし、自分の力でさらに広げていきたい。だから、どんなに厳しい状況でも、兄の背中を見て「自分もやれる」と思えるんです。

“グラン・ゲレーロ”として──自分の名で語られる未来へ

アレクシス・サラサール:ここまでのキャリアを振り返って、今の自分にどんな言葉をかけたいですか?

G・ゲレーロ:「よくやってる。でも、まだまだだぞ」って言いたいですね(笑)。これまでたくさんの経験を積んできたけど、まだ“完成形”じゃない。もっと強くなれるし、もっと上を目指せると思っています。

アレクシス・サラサール:これからの目標は?

G・ゲレーロ:まずは、もっと多くの人に“グラン・ゲレーロ”という名前を知ってもらうこと。そして、いつか「ウルティモ・ゲレーロの弟」ではなく、「グラン・ゲレーロというレスラーがいる」と言われるようになりたいです。

アレクシス・サラサール:それは、名前を継いだからこその挑戦ですね。

G・ゲレーロ:そうですね。でも、僕はその挑戦を楽しんでいます。兄が築いた道を歩きながら、自分の足跡を残していく。それが今の僕の使命だと思っています。

アレクシス・サラサール:最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

G・ゲレーロ:いつも応援してくれてありがとうございます。僕はまだまだ成長途中ですが、これからも全力でリングに立ち続けます。どんな時でも、僕の戦いを通して“情熱”を届けられるように頑張ります。これからもよろしくお願いします!

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